もう一人で釣り行けなくなる。ナマズ釣りの最中に起こった恐怖。

 

 

  梅雨前から、この時期までよく近所の水路まで

 

  ナマズ雷魚を狙いにいっている。

 

  田舎で周りには、田んぼと街灯しかないところが、いつも行く

 

  ポイントだ。この日は23時ぐらいで私以外には誰も釣りをしている人が

 

  居ないのが原因か、いつもより空気が気持ち悪い感じがした。

 

  私は、霊感とかは全くなく若い頃に心霊スポットなどに

 

  行ったりもしたが、なにも感じた事はなかった。

 

  霊というのが存在するなら見てみたいと思っていたぐらい

 

  霊というのに恐怖感がなかった。

 

  そんな私でも気持ち悪いと思うほどこの日は空気が変だった。

 

  ポイントの水路の近くには事故で亡くなった人に

 

  花が供えられているが、今まで何にも気にならなかった。

 

  だが、この日は違い、供えてある花の事が気になり

 

  頭から離れなかった。

 

  そんな事を考えながら釣りをしていたが、ナマズも何回かヒットし

 

  釣りを楽しんでいたからか、供えてある花の事はすっかり忘れていた。

 

  帰宅しようと帰り支度をしている時に頭に供え物の事がよぎった。

 

  この時はもう3時ぐらいになっていた。

 

  不意に背筋がゾワゾワした。理由はハッキリしている。

 

  夜の3時で後ろには田んぼだけ。なのに後ろの田んぼの中を

 

  ジャバジャバ歩いてくる音がする。怖すぎて後ろを見る事なく

 

  車に猛ダッシュした。すぐに荷物をしまい出発した。

 

  結局、正体は分からないが夜中に田んぼの中を歩く奴なんて

 

  頭のおかしい奴か、酔っ払いか、幽霊のどれかだろう。

 

  この日から、このポイントには一人で行ってない。